やっぱりパパが好きぃ〜

「やっぱりパパが好きぃ〜」というのが、最近の娘の流行語。そんでパパに抱っこされて、「見て見てぇ」とこちらを呼び、なんぞなと近寄るとまんまるの頬をさらに膨らませてぶーっ!とつばを吹いたり、キックをくれたりする。むむ。まさに足蹴にされる母。

こういうときどうしたらいいのか。保育所のベテランO先生に訊くと、「ひょっとしたら、おうちで、お父さんはわりとなんでも言うことを聞いてくれる存在で、それに比べるとお母さんが二ーニャちゃんからみて『御しがたし』みたいなとこって、あります?」 ええもうその通りです。「じゃ、お母さんの気を引きたい、ってのも、あるかもしれないですね」
さすがベテラン。少なくともその「優しい物語」で、カチンとこなくてすむようになりました。それからは余裕しゃくしゃく。「パパが好きぃ」とラブラブぶりを見せつけられても、「へっへっへー、私を振り向かせたいだけのくせに」と、ほくそ笑む。ちょっときもち悪い? まぁでも、そんな妄想で、実害がなしになるなら、いっか?

夜も、「パパがいいの〜」とパパのところで寝るようになった。それはそれで広々としているよ。ああサバサバしたともさ、ふん。ちょっぴり痩せ我慢。


それにしても、必ず「やっぱり」から始まるのは、なんでやろうか。「ママも好きなんだけど」という隠された前段をうけての「やっぱり」である、と、ここでも幸せな妄想を抱いておくことにしよう。

とはいえあまりにもしょっちゅうなので、たまに「お嬢さんよくお聞き。誰かを貶めることでしかできない祝福ならば、そんなのはせんがましぞね、eh?」と諭してみる。すると、一瞬ぽかんとして、彼女なりの答えを返してくれるのだった。「やっぱりパパが好きぃ〜」 うん、その「やっぱり」の使用法、正解です。