めでたいのはええこっちゃ

メリー・クリスマス! スペインでは10年間、イブの夜はテレビの前に座って国王のお話を聞いていたのだけど、今年は日本でエンペラドール・デ・ハポンの御尊顔を観た。って、こちらは誕生日だったのね。まあなんせめでたいのはええこっちゃ、ハッピー・メリー・クリスマス(イヴあたり)!

22日の保育園の帰り際、保育士の先生が娘に「明後日はね、サンタさんと女神さんが来るよ。それで、おみやげもくれるんだって!」と教えてくれていた。「女神さん」って、なんだろう。まあなんせめでたいみたいなんでええこっちゃ、ハッピー・女神も・クリスマス!


という親の安易な思考回路が露呈する、娘の最近の口癖:「ま、いっか」。たしかに私、よく言っている。食事前やのに「おやつー!」と泣く娘に「ダメ! もうごはんだから待ってなさい! ……ま、アメならいっか。ほれ」とか。お風呂に入るのを愚図る娘にツレがこっそり「お風呂場でヤクルト」の密約を交わしたのを聞いて(「内緒の話」は間髪入れず報告してくれる)、「えーっ! お風呂でヤクルト飲むアホな子なんておらんよー! ……ま、いっか。今日だけね」とか。だらしないことこのうえない。

ある日、ごはんに飽きてそこらのもんでなんや遊んでいた娘が、コップを倒した。服から床まで牛乳でべちゃべちゃ。「コラーッ!」と叫ぼうとした瞬間、娘が先に「ま、いっか!」。反射的に「よくないわい!」とつっこもうと思ったけど、でも「『まあいいか』で済むなら警察は要らんで姉ちゃんコラ」ってほどでもないか。そう思い返して、「じゃ、自分で拭いてね」と布巾を渡した。これに味をしめたのか、その後も、ビスケットぶちまけたり、どろんこになったり、いろいろしでかすたびに「ま、いっか!」の先手攻撃。んー。まあ、自他の命にかかわるとか、事前にじゅうじゅう言い含めていたとか、そういうこと以外は、たしかに「まあ、いい」。それに、自分でも「実はあんまりよくなさそう」と思ってるときって、明らかに目が泳いでるもんね。そこまでわかってる人間を、さらには追い詰めるまいよ。

「ただしい」よりも「たのしい」で、まいりましょうぞきよしこの夜。
娘が保育園で覚えた歌を歌っている。「♪クリスマス〜の〜日はぁ、よ〜こにガチャガチャ、おどろう〜」 え? 横に? あ、それってアレじゃないの? 「陽気に?」「ちがうよ、『よーこーに!』」 えー、違うと思うけどなぁ。カニじゃあるまいし。……ま、いっか!