しみじみ、総量は変わらない

「総量はかわらない」
・・・本当にそうなんだろうなぁとつくづく思います。何しろ我が子は以前にも書きましたが、「ぱっと見」手のかからない子ども。まぁ割となんでもさくさくとこなしていき(例えばストローもコップも使い方を教えたことがない)、外ではお行儀もよく(例えば小さい頃からテーブルの上のもので遊んだりしない)、お友達とのいさかいも少なく(むしろのんびりと穏やかなせいか、こ初々さんと一緒のテーブルで給食を食べたいと熱望するお友達もたくさんいて、『みんなのこ初々ちゃん』と人気を博している)、外では大ごねもしないほう。そんな外面よしちゃんなもので、ほかのお母さんから「憧れこ初々ちゃん」なんておっしゃって頂けるのですが・・・私の実感としては、「こんなに難儀なものなのか」と深々とため息がでちゃう、という感じなんですよねぇ。うーん、その「難儀さ」がいわゆる子どもらしいやんちゃさやお行儀の悪さ、発達の具合に関してではないので見た目では全然分からないのですが、私は彼女の「我の強さ」に正直難儀しています。

例えば、もう数ヶ月も続いていますが「寝ない」という主張。まぁ活動量が足りないとかお昼寝時間が多いのではという問題もあるのでしょうが(もうそんなことははかりようがないけれど)、なにはともあれ「寝たくない」んですよ、我が子。お昼寝にしたって自分の意思で寝るのはいいけれども、ちょっとでも自転車に乗せて寝かしてしまえという気配を感じようものなら「ぎゃーーー!!!」です。例えば自転車に乗せていて、もうそろそろ寝そうな頃合いに自宅前を通りすぎようものなら「寝かせられる!!!」と思うせいか、大泣きで「おうち帰る!!」が始まります。夜にいたっては寝かしつけ時間平均2時間以上で、3時間かかることだって稀ではありません。「寝たふりをすると、退屈になって寝てしまう」という素敵な就寝タイムにしたいのですが、私が寝たふりをしようものなら、おそらく1時間でも2時間でも泣いていると思います。大体もう寝かしつけ時間も2時間になってくると夜も深夜をまわり眠くてフラフラなはずなのに、最後の最後まで「寝なくていいの〜!!」と泣いてますからね・・・これ、何も無理矢理「寝なさい!」と怒っているわけではないんですよ。絵本を5冊くらい読んで「電気を消すよ」と穏やかに言うと、「寝ないもん〜!!」と泣きながらオットのもとへ逃げていき、しばらくオットが相手をする。その後私がまた絵本を数冊読みますが、今度は「なんか食べたい」。少し食べさせて納得させたところで、また絵本を読んでやりますが、それでも「寝なくていい〜!!!」・・・何で寝たくないのかちっとも分かりませんが、これが我が家で毎日9時前後から繰り広げられる風景なんです。なので「7時には寝て、6時頃起きる」なんていう子どもちゃんの話を聞くと羨ましすぎてため息が出ちゃうくらいですが、そういう子どもちゃんだって難儀なところがあるのでしょうし、「大変なポイント」が違うだけなのでしょうね。それでも羨ましくなっちゃうものです。ちなみに我が子は寝たくないだけではなく睡眠の総量も少なくて平気な「燃費のいいひと」でして、深夜12時をまわっても翌日6時半に起きてくるなんていうこともしばしばあります。大体平均すると夜間の睡眠時間は7時間くらいではないでしょうか。残念ながら、「そういう子もいるんです」というところで納得するよりほかないんですよねぇ・・・

それにしても何故こんなにも寝たくないのかも、寝ないと主張し続けるのかも理解が及ばないのですが、「そういう『たち』なんだろう」と思っています。それに加えて、やはり生理的欲求よりも知的欲求が勝ってしまうタイプの子どもなのでしょうし、おそらく「それはそれで彼女なりに辛いこともあるだろう(眠くてすっと寝れないのは大人だって辛いよね)」と思うことにしているんですね。そしてもっと言ってしまえば最近では、「この子はきっと、賢いように見えて、感情のコントロールがまだヘタクソ(未熟)なほうなんだろうな」とも思っているんです。だから一度「寝ない〜!!!」と火がついたように泣き始めると「てこでも動かない」ような状態になってしまうのですが、それを自分だけではおさめることが出来ない。当然そんな時にはこちらの説得など「入っていかない」わけで、その場合「寝ない〜!なんか、食べたい〜!なんか、見たい〜!」はおそらく「とにかく私の言うことを聞いてくれ〜!!!」という翻訳が必要なのだと思います。そう、私の看護の大先輩も言っていましたが「(患者さんの)言葉にそのまま振り回されてたって仕方ないんだよね〜。」とまさしく同じ状態で、そんな時の要求は言葉通りには受け取らない。ですから「なんか、食べたい〜!」と言っていても「ダメ」とは言わずに(それは「私の言うことを聞いてくれ〜!」に「ダメ」と言っているのと同義であるから)、「ふーん」とか何とか言って肯定も否定もせずに「よしよし」しながら気分を変えてあげる。そして泣き止むのを待ち、かつ「こちらの働きかけに応答できる人間レベルに戻ってから」説得するなり交渉するなりする、ことにしています。普段理解力もあり、賢く見える子どもですから「いつでもそうだろう」とつい思ってしまうのですがそれは大間違いで、まだまだ感情のコントロールが未熟で「いつでも人間」というわけにはいかないのだろうな。そんなふうに思っています。

・・・そんなわけで、子育てと一括りにしてみても、子どもによって「大変さ」というのはそれぞれなんだなぁ、とつくづく思います。子どもが生まれる前にはこんな大変さを思い描けなかったですよ、いやほんとに。