そんなに怒んなくてもいいじゃん

休みの日に限らず、実は意外と早く眼が覚める。6時半。セットした目覚ましより早い。次の瞬間にはその日の仕事の段取りを考えている自分が恐ろしい。これがプロテスタンティズムの倫理か、はたまた資本主義化された身体すなわちウンコして歩く資本主義か。そうこうしているうちに、隣に寝ていた長男坊が寝返りを打った拍子に、その膝が僕のわき腹を的確にヒット。家の横を流れる川の音を聞きながら、小学校の頃雨の中をびしょ濡れになりながら帰ったときのことを思い出しながら二度寝。気づいたら7時50分。もうすぐプリキュアがはじまるなと思いながら身体を起す。妻の隣に寝転がっているピンクの子ブタ・・・ではなくパツパツムチムチなウニャ子と眼が合う。ニヤッと笑うウニャ子。朝はいつもこんな感じで機嫌がいい。

フトンを片付け、髭をそり、コーヒーを入れて朝食。ここからがまた問題だ。ヘメヘメ言ってなかなかシャキッとしない長男坊。朝から疲れる。叱ると彼が一言

「そんなに怒んなくてもいいじゃん。」

お前に言われたくないし、お前がそんなこと言う立場にないだろ。なんなんだその上から目線は?そして続けて彼は言う。

「今、何時?」

「君さ、話聞いてる?」と僕は答える。

「今、何時?」

「・・・8時。」とうんざりして答える。

「嘘ばっかし。」

「嘘ばっかしはお前だろ。」とキレ気味に答える僕。

そんなバカ親子のやり取りを尻目に、机の上のパンや卵を執拗に狙うウニャ子。食へのこだわりは兄譲りのようだ。ただ、兄に無く、彼女にあるのは押しの強さと根性。いい根性をしている。すでに寝返りをマスター。ほっとくとグリングリン寝返りまくる。

会話の内容等はノン・フィクションだが、全体としては日々の生活の断片を繋ぎ合わせたフィクションである。つまり、ノンフィクションによって構成されたフィクションである。