ネズミだって生き物さ、子どもだって人間さ

supply72009-01-14

日本も寒いようですがスペインも寒い! マドリードはたぶん東京と同じで1年に1度くらい雪が降る。4年に1度くらい、ちょっと積もる。泥だるまにならない雪だるまが作れるのは、10年に1度。先週金曜は、まさにこの「10年に1度」の大雪。ニーニャは喜び、中庭かけまわり、マーマは炬燵……がないから一緒に外に出て、「あめだー!」と繰り返す娘に「ゆきだよー」と教え続けてました。そしてこの雪が溶けきらない昨日、また朝から雪。でも今度は途中から雨に。「ゆきだー!」 娘よ、これは雨なんじゃよ。

というわけで今日の一枚は、保育園の雪だるま&ニーニャの恋人で騎士のディエゴ。もちろんこの後、通称「地震くん」ディエゴは、雪だるまの鼻のニンジンを引っこ抜くや、えいやっと遠くまで力の限り放り投げてました。


ディエゴはオムツ外しトレーニングの真っ最中。というのもスペインでは3歳になる年の9月、つまりニーニャやディエゴにとっては今年の9月から義務教育が始まるので、その前にオムツが取れていないと困るのだ。今度は保育園と違って、あくまでも学校の幼稚部。先生はオムツ替えなどしてくれない。子どもがおもらしした場合、学校によるが、着替えをもってきて対処するよう親に電話連絡が入るか、あるいは外部スタッフによる有料サービス(1回500円程度)となるそう。つまり、学校側ではなにもしてくれないのが原則。9〜12月生まれの子たちは2歳で入学することとなるので、なかなか厳しい。って、ニーニャは12月生まれののんびりさん。けっして他人事ではないんだが。

そしてディエゴはいま、壁にぶちあたっている。なんでも、「ウン○」と言うのが恥ずかしいらしい。座っても出ないこともあるし。こうやって「トイレ」と言うのを我慢するうち、ウン○はどんどん固くなる。ご存知のように、固いウン○をするのは痛い。痛いからなおさらイヤだ。座っても時間がかかるし、出ないこともある。それにやっぱり恥ずかしい。言いそびれているうち、お尻からウサギのような小さい黒い球がコロコロ転がり出ちゃった、なんてこともあるという。ディエゴのおばあちゃんによると、「心配ないわ、みんな通る段階なのよ」ということだが。

子どもはもっと動物かと思っていたのだけど、実はすごく人間だ。子育てをしてみてそのことが、ひょっとしたらいちばん驚いたことかもしれない。プライド、あるいは自尊心がある、もしくはそれしかないということ。ニーニャもまた、外ではぜったいウン○をしない。先日もトレド観光中にくっさーいオナラをして、間違いなく実弾発射臨戦態勢だったにもかかわらず、そこから1時間半かけてマドリードに戻ってさらに日本から来てくれた友人と痛飲して帰宅するまでの約5時間、必死で我慢していた、らしい。帰宅するなりブーッ! とやった。まさか1歳や2歳の子が、羞恥心から何時間もウン○を我慢するだなんて、思ってもいなかった。催したらそこらのガソリンスタンドに駆け込んで「トイレの鍵貸してください」と高らかに排泄宣言をしてまで用を足そうとする私の方が、よっぽどアニマルだ。

思いもしなかったけど、私が近くで見る子どもたちは、誰かに褒めてもらうのを無上の喜びとし、逆に失敗することを極度に恐れる。ほんの小さなことができないことで、すぐテンパってキーッとなる。ほんの小さなことを譲れなくて、自分そのものが失われてしまうかのようにワンワン泣く。とすると「大人になる」ということは、いつも誰かに褒めてもらわなくても自分のやるべきことはして、失敗することを恐れず、小さなことができないことに慌てず、笑顔でたくさんのものを譲り渡すことができるようになる、ということなのかもしれない。動物が人間になる、んじゃなくて、子どもという人間が大人という人間になるということなんだなあ、たぶん。