子どもの日でした。

supply72009-01-07

明けましておめでとうございます、そして「子どもの日」おめでとう! 昨日6日は正式名称「主御公現の祝日」、通称「東方三賢人の日」、しかしてその実態は、スペイン版子どもの日だったのでした。キリストが生まれて約半月後のこの日、その「しるし」を見た三人の偉いひとたち(メルチョールとガスパールと、誰だっけ)が、ラクダに乗って東方からはるばると贈り物(没薬と乳香と、なんだっけ)を携えてきたという聖書の記述にもとづく祝日。その裏には、キリストの威光を西洋世界だけでなく東洋=それ以外の世界にも及ぼそうという意図があり、したがってヨーロッパ人の世界地図にアフリカが入った時期から三賢人のひとりは黒人になったのですが、まあそれはともかく。

スペインの子どもたちにとって、年に一度のビッグ・プレゼントをもらえるのは、伝統的にはクリスマスではなくてこの日の朝。目を覚ますと、枕元においておいたコップの水がなくなり(=ラクダが来て飲んだ)、かわりにプレゼントが置いてある、という「お話」が、各家庭でつむがれています。ちゃんとこれを裏付けるように、前日5日の夜はスペイン各所で東方三賢人のパレードが盛大に行われたりもするし。ちなみに悪い子がもえらるのは炭。でも、燃料高のこの時代には、けっこうありがたかったりして。

というわけで前日は、デパートも24時まで営業。この日までプレゼントを買いそびれていた私も、午後4時、ニーニャ(2歳1ヶ月)を連れてショッピングセンターへ。この子が寝たらすかさず買おう、と思いつつ、まずはパピーちゃんへのプレゼントを物色。小さくておかしなブックマーカーを買ったのが午後8時。ニーニャ、まだ寝ない。たまたま同じショッピングセンターに来ていた友人と落ちあって、しこたまビールを飲む。ニーニャ、まだ寝ない。10時半、仕事を終えたツレと合流。ニーニャ、まだ寝ない。えーい! 結局、ニーニャに選ばせるかたちで、でも結局は親の意向ですっかり誘導して、お気に入りのPOCOYO(ポコヨ、スペインのクリエーターによるアニメ)の人形セットとDVDセットを購入。翌朝、わざとらしく枕元に置いておいたけど、彼女が前日の買い物を覚えていたかどうかは不明。けっこう気ぃ遣いの子なので、「忘れたフリして喜んでみせた」としても、ちっともおかしくないのだな。

そして6日。お約束の「ロスコン」(右上の写真)という、特大円形甘パン・生クリームサンドにナイフを入れる。パンには陶器の人形が焼き込んであって、これをひくとその一年はラッキー(ついでに甘パン代金も払ってね)という意味。「外れ」のソラマメを入れてあるところもあるらしい。うちの近所のパン屋さんのは、王様人形。去年は最後の一切れで、ツレが王様を捕縛。今年はなにがなんでも私が、と意気込んだものの、なんと最初の一切れでツレのナイフに硬いものが当たる。ちぇー、と、掘り出してみると、出てきたのは陶器のブタ。え? これが当たり? それとも外れ? しかし不景気のせいか今年のロスコンはパンがカスカス、生クリームもスカスカで、それ以上食べる気になれず、真実は未だ(冷蔵庫の)闇の中。ま、私が相変わらずの「外れ」でも、ツレが「当たり」なら、家族としてはプラマイゼロだから、いっか?