過去、そこにあった危機

初々さんが一時帰宅してくれているので、「狭いながらも楽しい我が家」状態になっております。当然のことながら、妻と子がいてくれる家が一番楽しいにゃぁ。初々さんもだいぶ回復してくれたようで、実家で彼女を支えてくれている母、妹家族、叔母たちに感謝、感謝です。

さて、今日はこの断乳ブルーまっただ中にあった、私が思う最大のの危機について書いてみましょう。それはとても些細なことなんです。

初々さんが相当に疲れているのは分かっていました(分かっていたつもり、ということですが)。で、加えてあんまり合理的な判断もできてなさそうでした。初々さんは「こ初々さんが朝の4時に起きる」と嘆いていましたが、その一方で、夜の7時半に、こ初々さんを寝かせることに必死でした。でも、夜の7時半に寝たら、朝早起きになるのはある意味当然。こ初々さんにしたら9時間寝てるわけです。どう考えても、早く寝かせ過ぎ。

で、わたし、言ってみました。私「ちょっと早く寝かせ過ぎなんじゃない。もう少し遅く寝かせたら起きるのも遅くなるかもよ」と。当然のアドバイスですよね。それに対して、初々「だめよ。このあいだ、遅く寝たけど、やっぱり4時半だったじゃない!」、私「いや、一回だけじゃなくて、数日続けてみないと」、初々「一日中、こ初々さんと一緒にいない人にはわからないのよ!」

初々さんからすれば、「そんな悠長なことを言ってられる状況じゃないのよ」「もう、切羽詰まった限界なんだから、いま、この時間だけでも寝てもらわないと、明日の朝のことなんか考えられないのよ。」「そんな危険な実験なんかして、もしまた4時起きだったらどうするの。そんな余裕はないのよ」ということだったんですよね。初々さんからすれば、「何にも分かってない、気楽なオット」に見えたんだろうなぁ。

でもね、これはちょっとへこんだ。そりゃそうなんですよ、もう絶対的に私には分らない。出産の痛みも分からないし、おっぱいが張る痛さも、つわりのしんどさも、毎日毎日子どもの要求にこたえ続けなければならないしんどさも分からない。しんどい初々さんを残して仕事に行っちゃうわけだからね。その意味で、オットはもう、絶対的な後ろめたさと申し訳なさがあるのね。妻に対して。子育てに関して。そういう、後ろめたさがあるところに、「あんたにゃ、わたしの辛さが分からない」と言われちゃうと、「そりゃそうです。もう、ほんとに申し訳ございません」と言うしかない。でもってそこでちょっとひねくれちゃうと、「じゃぁもう、おらぁ知らねぇからな。何にも言わね」とやっちまう。

おお、あぶねぇあぶねぇ。「おら知らね。もう何にも言わね。勝手にやってくれ」は、父親を育児から遠ざける悪魔の呪文。家庭崩壊につながる小さな危機。「おい、そりゃないだろう」なんてことは言いません。話し合いはしないのが我が家のモットー。しんどさを分かってあげられないのは私の方なんですから。

と、どう書こうとしても、こりゃ初々さんが悪くなっちゃうなぁ、と思案していたところへ、「おやすみなさい」を言いにきた初々さんが、「あっ、また妻の悪口を書いているでしょ」と。私「何でわかるの?」、初「だっていたずらな顔してる」んだそうです。うひゃひゃひゃ。悪口じゃないよ。記録、記録。備忘録なわけです。ああ、あん時こういうこともあったなぁ、っていう。もう、すべて過去のことですから。