つくるのでなく
えへへ。まだ産まれてませんよ。
産前仕上げ&産休貯金の仕事はしつつも、実家で比較的ぼんやりできてるからか、今にも出そうだったポンコさん、なんだか落ち着いちゃいました。それでもあと1週間が勝負でしょう。
ということで、今回の妊婦生活を振り返ってみれば、ほんともう、嗜好の変化がいちばんの驚きでした。これについては前も書いたと思うんですけど、結局、その傾向は今の今まで続いています。
本日のランチは、いつものトンカツ屋さんでエビフライとヒレカツのセットを堪能しました。「揚げづわり」とでも名付けたいくらいの「揚げもの欲」にまみれた今回の妊婦生活。いつも大好きなはずの魚は、特に焼き魚煮魚は最後まで食べる気にならず、刺身を少々つまんだくらい。好物の第一でもある「茹でたエビ」もダメ。でもフライはウエルカム!というわけのわからなさ。今日は焼肉、明日はフライ盛り…そんな食生活に、我が家の男たちはニコニコでした。他に、無性に食べたくなったのは、ダシのきいたうどん、焼きそば、お好み焼き、チェーン店のカレー、あんこもの、イモ類、など。なんかやたらもっさりしてますね。シャキシャキの野菜や、あっさりした和食、体に良さそうなものには全然心ひかれませんでした。ナチュラル&オーガニックな素敵妊婦とは無縁の暮らし。異様にシャンパンとオレンジジュースが飲みたくなり、シャンパンは毎日…とは行かないのでスパークリングワインを時々と、ことオレンジジュースに関しては、柑橘類を絞るだけの「シトラスジューサー」を購入する始末でした。
食べ物以外では、「知らない人の匂い」がとにかくつらかったです。普段からあまり得意ではないのですが、いわゆる加齢臭を始めとして、オバさんの化粧くささも、若い人の「若い」匂いも…。
あと一週間、それやこれやともお別れなんでしょうか。それともこのまま男子高校生的嗜好にシフト?
さて、今日も、グッと来た本より。
「つくる」と言うと、世間では創造的なニュアンスを伴ういい響きを持っている。服やパソコン、車や家、欲しいモノが溢れている世の中で、「つくる」という感覚や発想は蔓延している。そのせいか、もやは子どもまでがつくる対象になってしまったようだ。
しかし子どもはつくる対象ではない。子どもは生まれてくるものである。子どもをつくると言うと、作品をつくるという感覚になってしまう。
つくると、親の作品なんだから、親の自由な意思で作品の形を変えたり、気に入らなかったら捨てたり壊したりしてもかまわないということになってくる。子どもにとっては酷い話になる。
…
子どもというのは自然の恵みである。自然から恵まれたと思えば、子どもをつくるという発想にはとてもならないだろう。
このように「子どもをつくる」という発想のおかしさを見ていくと、「つくる」という感覚がけっしてよいものだけでできているのではないことがわかると思う。
…
歴史上の権力者たちは過去にさまざまな建造物をつくってきた。…そこには自分の権力の大きさを誇示したり、栄誉を永遠に残したいという意志がひしひしとうかがえる。
「つくる」という行為は行き着くとこうなるのだ。そんな権力者がつくった大きなものを見ると、私は「ああ、つくりたくないなあ」と、思ってしまう。
…
「つくろう」とは思わない。あくまで「生む」のである。できれば本能に近いところで自然から何かを取り出すように「生む」ことができれば最高である。
- 作者: 桜井章一
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出産と出版。私も「生んで」いきたいです。ひとまずは出産がんばります!