物欲王子は鷹か蛙か?

 「総量は変わらない。」

 ということを、子どもに関してしばしば耳にしてきました。「小さいころにやんちゃな子は、大きくなれば大人しくなる」とか、「辟易するほど甘えてくる子ほど、ある時期が来ればすっきり自立する」とか、そういうようなもの。どっかでプラマイゼロになる、っていうようなこと。それを厳密に確かめる術はないのでしょうけど、そういうもんかもなぁ、と思うと、目の前の大変さに思い詰めなくても済むかもしれません。
 ヒコに関して、いつも「大変だ〜大変だ〜」と言ってる感のあるわたくしですが、トイレ関係で困ったことって、ほとんどありません。もちろんおむつを外してから、まったく「しかぶった」ことがないわけじゃないですが、小学生になってからもちょくちょく布団に地図を作製していた私にとっては、むしろ「トンビが鷹を生んだ」レベルの優秀さ。おむつも、保育園でトレーニングしてもらっていたとはいえ、それこそ暑くなって来たある日、「暑いねぇ、もうパンツにする?」「うん」…その一瞬で外れてしまいました。それ以来、大も小も的確に教えるし、トイレ以外でウンコをしたことは、一度もないんです(お腹こわしたときに、寝たまま大下痢ってのは一度ありましたが)。
 強烈にきかんぼうで暴れん坊で動きっぱなしでしゃべりっぱなしで物欲王子。でも、トイレだけはバッチリ。これで日々の苦悩をチャラにできるかどうかというのは、私の気の持ちようでしょうが、たぶん苦戦している方にとっては「他がどうでも、それだけできるならいいじゃない!」ってことになるのでしょう。
 とにかく目の前の問題が、必要以上に怪物化してしまうのが、子育ての悩みの大きな落とし穴。いま自分が大変なことがいちばん大変なことって思っちゃう。そうならないためにも、ホントかウソかはわからないけど「総量は変わらない」っていう教えは、なかなか有効なのかもしれません。

 こないだ、ダンナとダンナ母と3人でトイザラスに行ったヒコ。ダンナがトイレに行った隙に、ダンナ母にトミカのセットをゴリ押ししていたので、戻ったダンナが「それはダメ」って言ったら、当然、猛烈に抵抗。ダンナ母がポツリ。「あんたの小さいころにそっくり…」。いましたね、家に。物欲大王が。

どれがだれの本かな?


 そして昨日は、きちんとトイレでウンコをきばりながら、突然「しゅうちゃんとおんなじゲーム買って!」とわめきだして大げんか。ちなみに「しゅうちゃん」は、よく行くお店の息子さん(小学3年)で、「おんなじゲーム」とは「DS」のことです。3歳児にDS買うかいっ!「買って」「買わない」の押し問答が続き、結局ウンコに20分かかりました。

 「鷹」だったり、「蛙」だったり、いろいろですね。