わかってるから

supply72009-03-13

 ここしばらく話題になっている「困った時にどうふるまえばいいのか」ということに、また別のヒントになるかも、ということを思い出しました。
 去年、ホッチキス妻さんの職場が主催するフリーマーケットに、手づくり石けんを出品しに行ったら、そこに「見える」お姉さんのブースがありました。ホッチキス妻さんによると、かなり「見える、当たる」らしいので、勇気を振り絞って彼女の前に座りました。「その人を守る人が言ってることを伝える」というのが、彼女のやりかたです。彼女はまず、私からの質問を受ける前に、「まずは『守ってる人』があなたに伝えたがっていることを、伝えますね」と、始めました。お姉さん自身には、その「伝えたがってること」が、何のことか、今ひとつつかめていない様子で、

 「いつもはそうでもないのだけど、時々、感情が強く出てしまってつらい時がありますか?」

 と、尋ねてきました。その一言は、当時の私にとって、かなりの「大ビンゴ!」でした。「魔の2歳児」ヒコが投げかけてくる(私にとっては)過酷な試練に対して、たびたび「ギャン!」と叱りつけたりしていたことを、しかし、本当につらく思っていたのです。かわいいのに、かわいいのに、好きなのに、大好きなのに、なんでこんなに叱りつけてしまうような状況が次々と現れてくるんだろう?って。

 「あります。子どものことだと思います」
 「あぁ、そうか、そのことみたいですね。…(交信)…あぁ、あの、それについて、とにかく大丈夫だから、って言ってます。…(交信)…わかってるって。子どもさんは、わかってるって。自分が叱られていることを、どうして叱られているか、わかってる…わかってるから…嫌ってるとかじゃないってわかってるから、ただその時だけお母さんが怒ってるだけだって、とにかくわかってるから、すごく傷ついてるとか、そんなんじゃないから、大丈夫だから、って、それを伝えたいみたいです」

 その後、仕事のことなども聞いて、ものすごく当たったり実現したりもしたのですが、当時いちばん悩んでいたそのことについて、まず始めに「わかってるから大丈夫」と言ってもらえたことに、とても勇気づけられました。「見える」「見えない」とか「守る人」とか、そういうことの真偽とはまた別の次元で、ヒコがたぶん「わかっている」というのは、真実だろうと思います。そして、私がどうしても、厳しい状況に直面したら、つい感情がドバッと出ちゃうのも、申し訳ないけれど、いまだに真実です。これはしかし、特に最近、いろいろ「押さえる」ことを試してみるのですが、それは、私にとっては逆効果でした。腹になんか溜まってしまって、気持ち悪いんです。
 だから、折衷案を考えました。「ガツンと怒りたい時は、怒る。でも、長引かさないで、すぐ仲直りする」です。
 今のところ、私たちにはこれがベスト…とは言えないかもしれないですけど、お互いの性格から言って、いちばん似合っているやりかたです。


 ちょっと宣伝。
 ただいま、長崎市東古川町「カフェ豆ちゃん」にて、去年出版した「長崎迷宮旅暦」の写真やイラストなどを展示しています。お近くの方はどうぞお立ち寄りください!
 (写真は、いちばん大きく飾っているお気に入りの1枚。野放しのビワと長崎の港です。豆ちゃんのブログでも、展示の様子が紹介されています)
 あ、まさに、その本を出すことが、お姉さんには「見えた」のでした…。