子供の権利

今週はみなさまお忙しいご様子ですね、無理せずゆっくりと静養なさってくださいね。
私はちょっとしたマメ知識を2題ほど…

「面接交渉」
 実は私、今年度から実施される法律事務職員の資格試験に向けてちょいとばかり勉強しています。昨日も仕事を終えた後、日弁連(日本弁護士連合会)主催の研修を受けてきたのですが、昨日のテーマは「家事・人事事件」家庭裁判所で家庭内の争いや、家庭に関するもめ事を解決する為に行われる調停や審判の事を「家事事件」というのですが…
 昨日の講義の内容は主に家事事件の王道、離婚事件についてのものでした。この子育てブログで「離婚」について語るのは気が引けるのですが、ちょいと目からウロコな話がありましたので紹介させてもらいます。

 婚姻中は両親が共同親権を有して、離婚をすると夫婦のどちらかが親権を有することとなり、そして親権とはまた別に監護権というものもあって、親権者は子の財産管理処分権を有し、監護(権)者は子の身上監護教育権を有します。子の居所指定権は監護権に含まれますので、ようするに親権ではなく監護権を持つ親と子供は一緒に生活をすることになるのです。そして監護権を有しない被監護親が子供と会う機会を持つことを「面接交渉」と言ったりしますが 、親子の対面が「面接?交渉?」とはいかにもお堅いので最近では「面会交流」とソフトな表現で言うことが多いそうです。  
 離婚の話し合いの中でよく「親権は渡さない」とか「面接交渉は絶対認めない」とか聞きますよね。私はずっと面談交渉の権利は被監護親の権利(親の権利)だと思っていたのですが、この面接交渉の権利って実は子供の権利なんだそうです。

 確かに考えてみれば当然ですよね。子供にとっては両親の勝手な都合である日突然片方の親と引き離されて、その上「絶対に会わせない」だとか「月に1回まで」だとか親達が勝手に決めるなんておかしな話なんですよね。子供はいつでも自分の両親に会うことができる権利があるんだと知ってとても安心しました。
 ヨーロッパやアメリカなどでは離婚の際に面接交渉について明文化の義務があり、子供の気持ちに添った運用がされているようですが、残念な事に日本では憎しみの応酬の果てに、実際には子供の権利ではなく、親の権利のようになってしまっているケースが多いように思います。
 この業界に入って早10年、離婚事件も何件も見てきましたが、「面接交渉」が子供の権利だったとは、本当に目からウロコでした。知らない事はまだまだいろいろあるものですね。


「出生届の届け方」

 そんな離婚事件講義を受けた後帰宅すると、妹ネネが夫妻揃って出生届けを提出しに行ところでした。

 出生届を出すと正式に戸籍に子として記載がされるのはみなさんご存じだと思いますが、
 私は仕事柄、戸籍を扱う事があり他人様の戸籍を見る機会が多いのですが、ほとんどの人は出生事項の欄に
「昭和○年○月○日××県△△市において出生、昭和○年○月×日父届出」
もしくは横書きで
「出生日」昭和○年○月○日
「出生地」××県△△市
「届出日」昭和○年○月×日
「届出人」父
という表記がされています。たまに「届出人」が「母」だったり「祖父」だったりする事もありますが、出生後2週間以内に届け出をしなければならない出生届はたいてい「父」が届けることが多いのだと思います。

 
ところで、うちのコジポン(6歳4ヶ月)の戸籍の出生事項の「届出人」欄は少し変わっているんです。

 コジポンが産まれてちょうど2週間、法律で定められた届出期間の最終日になぜかは忘れましたが、私達夫婦は産まれたばかりのコジポンを腕に抱いて3人で市役所へ届けを出しに行ったのでした。
 カントクが届出用紙に記入をして窓口まで持って行く間、私はコジポンを抱きながら後ろで、それを見守っていました。すると窓口で対応してくれた女性が私に「お母様、せっかくお二人でお見えになったのですから、お母様も一緒に届けられたらいかがですか?」と声をかけて下さいました。
訳も分からず「はい」と返事をしたところ届出用紙の「届出人」欄の「父」に横に「母」と書き足すよう促され、言われるがままに記入し提出したところ、出来上がった戸籍の「届出人」が「父母」と表記されているではありませんか。まあ、当然といえば当然のことで、なんの不思議もないのですが、夫婦仲良く揃って届けにいった事がコジポンが生きている限り戸籍に記載され続けると思うと、なんだかとっても嬉しかったです。あの時声をかけてくれた窓口の女性には本当に感謝です。

そんな姉の話を聞いたからか、ネネ夫婦も2人で届けに行くことにしたようです(チビ君はバアバとお留守番でしたが)。

 がばちょさん、ホッチキスさんにとっては、なにを今更な話ですが、これ、私的には結構おすすめの裏ワザ(?)です。みなさんも次の機会にはぜひ夫婦お揃いで提出してみるのはいかがですか!