図書館の恩恵

ウニャ子、今週もリラックス継続中。出てくる気配なし。

今週の木曜日は朝早くに宮崎を一人で発って高速をテロテロ適当に飛ばして一路久留米へ。なぜこのヤンキーの街へやってきたかというと、入院中の父がちょっとした手術をするからだ。
11時ごろ、父の病室で妹と合流。と、まあ、ここまでならいつものことなのだが、その日は母親も午後から合流。母親と会うのは先月に続いて今年で2回目。1年に1度会うかどうかの母親と二ヶ月連続で2度も会うとは珍しいことだ。
次の日、きのうはお疲れ様といった具合で妹と電話で話していると、どちらともなく「やっぱりあのひとって、な〜んか一言多いよね。カチンとくる一言が。」という話になった。そうだ。子どもの頃はそういう「言わんでもいい一言」にいちいち傷ついていた。身体も弱いうえに気が小さいショボイ子どもだったから。具体的には「やっぱりあんたは馬鹿だね」とか「しょせんあんたはマニュアル人間だからね」とか。今言われたら、ふん、と聞き流すのだろうけど。もしも、いまのこの僕のこの厚かましさと薄情さと浅はかさがあったら、もっと楽な子ども時代だったろうけれど、歴史に「もしも」はない。「厚かましさと 薄情さと 浅はかさと」・・・そうえいばそういう歌があったな。

まちがえた。「恋しさと 切なさと 心強さと」だった。ぜんぜんちがった。


そうそう。図書館の話だった。
妻の実家は市立図書館にも県立図書館にも近いところにあって、本格的な図書館がない町にながく暮らしていた僕らにとっては、ほんとうにこの図書館の存在がありがたい。とにかく子どもコーナーの充実度といったら・・・。うちの町にある「図書室」の絵本のコーナーが畳三畳ほどしかないのにくらべ、その図書室の倍以上のスペースをもつ子ども図書館は子育て者にとってものすごく強力な味方だ。
先日も市立図書館にこっそり一人で行ってCD・ビデオコーナーを物色し、視聴コーナーの片隅でチェリビダッケミュンヘン・フィルを指揮してのシューマン交響曲4番を聴いて思わず涙してしまった*1のだが、今日は絵本の朗読や人形劇があるというのでぼっちゃんと二人で図書館に赴いた。
ぐりとぐらのおきゃくさん」の人形劇がはじまったとたん、睡魔に襲われる父。気づいたら終わっていた。ホールのなかも一応クリスマスな雰囲気にしてあったが、昼間には平気で気温が20度を越え、車を走らせているとクーラーを入れてしまったこの土地の陽気の前には、いますこし雰囲気がでない。
そのあと、視聴覚コーナーでとつぜん「風の谷のナウシカ」をみたいと言うぼっちゃん。毎日見ている「となりのトトロ」のビデオの予告編部分でなんとなく存在を知っているとはいえ、なかなか渋いセレクトだ。
でも内容が難しいんじゃないかな?と思いつつ、親子二人してヘッドフォンをつけて腐海の森へ。マスクなしで大丈夫か?と思ったが、けっこう興味深げにじ〜っと見ているぼっちゃん。メーヴェの出るシーンは身を乗り出すように見ている。腐海の奥で王蟲ナウシカが交信するあたりで、ほかに来ている子どもたちが気になって見るのをやめてしまったが、やっぱりほかのを見るというのでいろいろ棚を物色。父は「パンダコパンダ水上サーカス」が見たかったのだが、ぼっちゃんは「トムとジェリー」をセレクト・・・。図書館に来たけど、なんだかいつもと同じようなことをやっている・・・。
父はやっぱり見ている間にウトウト。図書館の係の人に、もう時間です、と言われて正気に戻る。

けっきょく今日は、男二人で図書館でダラダラして一日が終わった・・・という、これといってオチのない一日だでしたが、こういう「これといってオチのない日」が一緒に送れるようになったということも、子どもの成長のしるしなのかもしれない、と云う具合に子育てブログっぽいオチで今日の僕のオチのない話は終わりです。

*1:この曲に関してはだいたい誰の演奏でも泣きそうになる。