たんぼの真ん中で思うこと

supply72008-12-09

週末、アイリ一家+ヒイバアの四人で岐阜の恵那に住む姉ミンミンの家に生まれたての赤子に会いに、7人乗りのワゴンを4人乗りにし、車の後部に自分らが使う布団(岐阜は夏暑く冬寒い)とお古(ベビー用品からパン焼機まで)と食料を満載にして行ってきました。
バアバは退院に合わせて一週前から産褥ヘルパーとして岐阜入りしているので、残されたジイジは愛する妻がいないので、どことなく元気がありませんが、教え子の結婚式のスピーチがあるため、東京に残ることに…コジポンに「ばあばに早く帰ってきてって伝えてね。」などと吹き込む始末です。

ミンミンの家は広い空と南アルプスの山並みに囲まれた田んぼの真ん中に立つ築100年超、すきま風の入る古民家で、トイレやお風呂が土間を超えた向こう側にあったりする昔ながらの家なのですが、土間に釜を設置して陶芸の作業場にしていたり、住みやすいように工夫されていて、とても居心地のよい空間でした(寒いけど)。

初対面の姪っ子は、それはもう小さくて、可愛くて、見るからに新生児なのに、意思のはっきりとした顔をしていて、姉には全然似てなくて、旦那さんが一人で産んだかと思うような小顔のお姫様でした。
(ちなみに、弟ドラゴンの家の3番目のリンちゃんはミンミンにそっくりなのですが、ミンミンの子はミンミンに似ておらず、苦労した産んだのにちっとも自分に似ていないのが悔しいというのが、ドラゴン妻とミンミンの共通の感想でした。)
そして、姉がお母さんになった事が嬉しいような眩しいような、なんだかいろいろな感情が沸いてきて、ひたすら感動してしまいました。

お客の来訪に興奮したのか夜あまり寝てくれなかった姪っ子のか細い鳴き声が聞こえるたび、隣の部屋にいても目が覚める自分にやはり母だなあと改めて思い出したり(ずいぶん前に母だったヒイバアは熟睡でしたが…)、頼まれもしないのに起き出していって、おっぱいをあげるミンミンの側で蘊蓄を傾けたり、片時も母子の側を離れずにサポートをするも、おむつもミルクも未体験という義理の兄タケタケにミルクの作り方をレクチャーしたり、なんだかんだと出しゃばって「ケアヘルプ」*1してきました。

そこで思ったのが、すでに私にとって「プライマリ・ナーシング」*2の「受け持ち子供(?)」は限りなく「軽い」(手がかからない)状態であるため、姪っ子の世話は、産褥ヘルパーとして甲斐甲斐しくも楽しそうに働くバアバと同じく。楽しめる「ケアヘルプ」状態だなあということでした。
コジポンも6歳になりご飯も一人で食べられるし、着替えも支度も一人で、修学に向けた練習の甲斐あってうんちのおしりも自分で拭けるようになり、お風呂でも自分で洗って自分で拭けるし、意外とあっけなく自分のベットで一人で寝らるようにもなって、母として手を出す機会がぐんと減ってきています。
そしてもちろん、抱っこをせがむこともなくなり(私から抱っこさせてとせがむ程です)、家事の途中で相手をしなくても一人で遊び、研修やら飲み会やらで深夜に帰宅しても「ママがいい〜」などと泣いて待っている事もありません…
気がつけば、すっかり手を離れてしまって、もうなんだか育て上げてしまったような気さえします。もちろん、これからだってメンタル面や勉強の事、友達との事なんかで頭を悩ませる事はたくさん待ち受けているのでしょうが、いわゆる食事・排泄・グルーミングにほとんど手を出す必要がなくなってしまったって事ですね。

6年前にはこんな日が早くこないかと思い続けて子育てしてきたのに、いざその日が近づいて来ると、なんだか嬉しいような寂しいような複雑な気分です。ずーっと小さいままでいて欲しいような、でもそれじゃあ困るから、もう一度赤ちゃんのコジポンをお腹の中から育て直してみたいとか思ってみたり…
完全に子供の成長に親の気持ちがついていっていないですね。子離れできない母になりそうで怖いです。
だからこそ、いま新生児のお世話が楽しくて、またここに戻って来たいというような気持ちにさせられるのでしょうか。

岐阜の大自然の中で、満天の星の美しさと、我が子コジポンの成長と、できることならもう一度子を産み育てたいという自分の気持ちに気づかされた週末でした。

結局、遊びにいった私達まで手伝いどころか母の世話になりっぱなしで、実家で母と一緒に暮らす私は里帰りするという経験がないため、母のいる(自分の住む家とは別の)家で、母の世話になるという疑似里帰り体験のような事まで経験することになり、思いがけず、なんだかすごく癒されました。

コジポンも赤ちゃんがかわいくて仕方がないようで、何度も抱っこをさせろとせがみ、危ない手つきながらそれはもう幸せそうに姪っ子を抱っこしてました。東京に戻ってからも妊娠中のネネのお腹に触りながら小さな命の誕生を待ちわびている様子です。
我が家にもコウノトリが来てくれるか、ぱんたくろう様*3が赤ちゃんをプレゼントしてくれるとよいのですが…



 

*1:前日の初々さんの記事より

*2:前日の初々さんの記事より

*3:とんびさんの11/21「ぱんたくろうさま」より