サラサラと、一粒ずつでも。

supply72008-10-17

 おととい、ヒコは3歳の誕生日でした。3歳。3歳。三つ子の魂百まで、石の上にも三年、桃栗三年の、3歳、です。我ながら、長い道のりでしたし、それは今も続いているんですけど、それにしたって3歳です。
 3年ちょっと前、よく行くスーパーの赤ちゃん用品コーナーで、腹ぼてジーンズを買いました。その時に、赤ちゃん用品コーナーの会員になりました。サービスポイントが10倍になるというので。有効期限は、子どもが3歳になる月まで。「有効期限 08年 10月」と書き込まれたカードを見つめ、そもそも「このまま永遠に妊婦なのでは?」と思っていた私は「それって100万年後?」なんて気持ちになったもんです。
 でも「100万年後」は、やってきました。永遠に続くと思っていた妊婦時代も、それ以上に永遠では?と感じた赤ん坊時代も終えて、いま、目の前にいるのは、おむつでなくパンツをはいた、ラーメンも自分でずるずるすすり、お店のおばちゃんに「おいしかった〜。また来るよ」と声をかける男の子です。
 何度も書いたことですけど、この3年があっという間だったなんて、口が尻まで裂けても言えません。むしろ、これまでの人生の中でぶっちぎりに長い3年でした。今だって、永遠に抱っこをせがまれ、外に出るたびに「ミニカー屋さん」に行かなければおさまらないような気持ちで生きていますが(昨日も、まさに「赤ちゃんコーナー」の隣にあるおもちゃ売り場で一悶着ありました)、10年後には、抱っこどころか口もきいてもらえなくなるかもしれません。
 長い。長い。長い。赤ちゃんや小さな子どもにまつわるその日その時は、時に発狂しそうに長いこともある。だけど、時計が止まって見えるそんな時も、一秒一秒はきっと進んでいて、もし、すべての道がふさがれているように思えても、砂時計の一粒とおなじくらいの穴が、きっとサラサラと光の方へ開きつつある…のではないか、と、今月でその役目を終える「みるく倶楽部」のカードのよれよれを触りながら、3年という時の流れを思いました。