空かないのなら、それは!

 育児界にすっかり定着した感のあるスリングですが、街ゆくお母さんたちを見ていると、時々つらそうな人を見かけます。それはなんといっても、スリングの「しめたりなさ」が原因のよう。スリングの良さは、「ママのぬくもりが伝わります」とか「子宮の中にいた時の姿勢が赤ちゃんを安心させて…」という、高尚な項目も、もちろんあるのですが、実生活においてなによりいいのは「両手が空くこと」だと思うんです。それが、ちゃんと装着してないことによって、片手がふさがるどころか、危なくさえある。ここは今一度、ふんどしならぬ、スリングの緒というか、リングから出ているヒラヒラ部分を、子どもとぴったり密着するように、ぐいっと引っ張ってみてください。重ね縫いや、パッドが入っている部分があるものは特に、つい、「この先はリングにくぐらせちゃいけないんだよな…」と遠慮して締めそびれるのですが、私が持っていたものについては、それは間違いでした。とにかく「両手が空かない状態」は、疑ってみた方がいいので、今一度スリングの説明書を読んでみるとか、付け方を練習しなおしたほうがいいでしょう。スリングって、できてみると簡単なんだけど、この手のことにかなり不器用な私は、丸2日ほど、ああでもないこうでもないと、わけのわからない日を過ごしました。